サムシング・フォー。

リリアの結婚式を目前に控えたある日のこと。

「ねえねえリリお姉ちゃん、サムシング・フォーって知ってる？」

「聞いたことがないわ。 それなあに？」



「結婚式の時お嫁さんが身につけていると幸せになれるんだって」

「…まあ！ それは急いで集めないといけないわね！！」
気がつけば結婚式まであと約二日ほどしかありません。

早速チェルナと探しに出かけることにしました



「じゃあまず、何か古いものね」
「…いきなり難題ね」



「あ！ わたしが座るイスはどうかしら？」
「確かにそれはポッポおじいちゃんが作ったものね…」

だけど身につけるものじゃないわ、と言いたそうなチェルナですが
花嫁が納得しているのでひとつめとしてカウントすることに。



「ふたつめは何か新しいものよ」
「それなら当日着るウエディングドレスで決まりね！」



…と、二羽のそばを花嫁さんが通りかかりました

「きれいねぇ…！」
「わたしもあんな風になれるかしら？」

おすまし顔のお嫁さんに思わず見とれてしまいました



「みっつめは、何か借りたものだって」
「お母さんからベールを貸してもらいましょう！」

「たぶん自分のを新しく用意してもらえると思うんだけど…」




「しあわせになるためだったらきっと貸してくれるはずよ！」

というわけで交渉の結果、無事入手できました。



「よっつめが一番難しいかも…。 何か青いものよ」
「青いもの？」



「小さい頃着ていたお洋服は青かったけど
　こんなの結婚式で着るわけにはいかないなぁ」

「リリお姉ちゃんの羽が青かったらよかったわね…」

すっかり行き詰まってしまいましたが、いろいろと考えた挙句…



「トキア叔父さんってわたしの結婚式には出てくれるわよね？」
「ああ…。 そのつもりだが…」



「ねえお願い！リリお姉ちゃんのサムシング・ブルーになって！！」

「一体どういうことだ…」

突然の依頼に当惑するトキア君。

（リリアのドレスってお色直しに着られそうなデザインだし
　青っぽいし、それでいいんじゃないのか…）



ちなみにこの後、ピピンのお嫁さんであるコナギちゃんから



可愛すぎるブーケトスをしていただきました。
本当にありがとうございます…！

ちなみにコナギちゃんとピピンの結婚パーティでは
若い二羽の門出を祝い、一族を代表してヒッポ氏が謎めいた余興を行いました

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